どうして皮膚にアプローチすると痛みが改善したり可動域が変わるの?

いつもあんのん徒手療法室を
ご利用いただき本当にありがとうございます。

さて、施術では皮膚を少し動かしたり、
痛みがなくなるポジションを探したりします。

そんな事だけで「痛みや動きが良くなる事が不思議」というご感想をいただくことがあります。

初めて受ける方の中には「軽く引っ張ってるけど、
これって本当に意味あるの…??」と思う方もいると思います。

皮膚にアプローチすると痛みが改善したり可動域が
改善する理由を3つ解説していきます。

①「神経に出入りする血流が良くなるから。」
皮膚にも細かい血管が分布しています。そして皮膚には皮神経(ひしんけい)という神経もあります。

神経も生きているので、栄養や酸素が必要だったり、
老廃物を外に出さなければいけなかったりします。

どこから栄養を取ったり、老廃物を排出しているかというと、血管からです。

皮膚にテンションをかけると血管にもテンションがかかります。

その結果、豊富な酸素と栄養を乗せた血流が入ることができるし、神経の中に溜まっていた老廃物(痛みを起こしたりする物質)も外に出す事ができます。末梢神経も脳に酸素不足や栄養不足を知らせる必要がなくなります。

在庫が無くなったコンビニにトラックがやって来て在庫を補給して、
ゴミを乗せて帰って行ってくれるイメージですかね。

②「皮膚の受容器(センサー)が運動感覚を
作ることに関わっているから。」
皮膚には様々な感覚を受信するセンサー(感覚受容器)がついています。

このセンサーの情報を基に身体の各々の部分が今どこにあるか、関節をどれくらい曲げているか、どれくらい力を入れているか、などの確認をしています。

特に「ルフィニ終末」は運動感覚に1番貢献していると言われています。

そして、ルフィニ終末は持続的な皮膚のストレッチで反応します。

皮膚にテンションをかけている間、このルフィニ終末が反応して、
脳に位置や関節の動きを認識するための情報を送ります。

車を運転する時にナビが無いと到着するまでの時間の予測も、行き方も分かりづらいです。

その上、現在地が「だいたいこのあたり」だと、
到着時間も正確に分かりませんし、行き方も分かりませんよね…!

③「脳が「快適」と認識すると痛みを改善させる物質を放出するから。」

脳が「あ、これは安全で心地良い刺激!」と認識できると内因性オピオイドや神経伝達物質が分泌され、
下行性疼痛抑制(かこうせいとうつうよくせい)という現象が起こります。
痛みが軽減するほか、「気持ちいいなぁー♪」という快適な感覚や眠気が起こったりします。

施術中に「もう、眠くて眠くて…!」という状態の時は
この下行性疼痛抑制が上手く起こっているのかも知れませんね♪

「皮膚にアプローチしているのに、脳に変化を起こすの?」
と不思議に思われるかも知れませんが、D N M(Dermo Neuro Modulating)の意味は
Dermo(皮膚) Neuro(神経系) Modulating(変化)。
皮膚から脳を含む神経系を変化させる徒手療法を意味します。
痛みの根本は脳を含めた神経系にあります。痛みを感じる仕組みがあるのは筋肉でも、関節でも、椎間板でもなくて神経系です。

痛みの根本的な改善を希望されるなら、
姿勢や組織を力ずくで変えようとするアプローチより、
神経系にフォーカスしたアプローチを選んでみませんか?

以上、「どうして皮膚にアプローチすると痛みが改善したり可動域が変わるの?」でした。

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