「さまざまな圧力と持続時間で末梢神経を圧迫すると、さまざまな程度の神経損傷が誘発されます。」
「40mmHgでは毛細血管の血流が遮断され、30mmHgでは細静脈の血流が遮断されました。」
「馬尾神経の急速な圧迫(0.05~0.1秒)は、ゆっくりとした圧迫(20秒)よりも
神経栄養供給に大きな影響を与えました。」
「末梢神経圧迫による疾患の症状は部位によって異なりますが、
神経圧迫後の病因は常に微小循環の変化を伴う機械的損傷であり、
軸索損傷とミエリン鞘損傷を引き起こし、最終的に瘢痕と線維症を形成します。」
「神経微小循環を改善することは、これらの疾患の治療にとって重要な鍵です」
引用:Changes in nerve microcirculation following peripheral nerve compression/
Yueming Gao, Changshui Weng,Xinglin Wang,
末梢神経は全身を72キロにも渡って分布しています。
その道中、骨を乗り越えたり、筋肉の間や靭帯の間を通り抜けて目的の場所に分布しています。
末梢神経が走行の途中に圧迫や狭窄を受けても不思議ではないですよね…。
そして、末梢神経が狭窄されると痛み・しびれ感・痛覚過敏・感覚鈍麻・脱力感・筋緊張・
筋力低下・筋委縮・麻痺などを起こす可能性があります。
痛みやしびれ、筋緊張などは私達が良く遭遇するトラブルではないでしょうか。
末梢神経が圧迫を受けると神経内の血流が妨げられます。
末梢神経が圧迫されると、低酸素、浮腫、血管透過性の上昇、軸索流の遮断など、
症状を引き起こすであろう変化が起こります。
身体の深くを走る神経や、身体の浅いところを走る神経にも同じ事が言えます。
ところで、フォームローラーで圧迫を加え続けたり、お尻や腰にテニスボールを敷いて圧迫したり、
足底をゴルフボールで指圧したり、イタ気持ちいい指圧を受ける事が当たり前になっていますけれど、
これらは時に末梢神経や皮神経を傷つける事になりませんでしょうか…?
表皮のはるか深層にある「筋肉」や「筋膜」に圧迫を加える事
を目標に圧力を加えるととりあえずその浅層にある「皮膚」には凄い圧力が加わりそうですよね?
その皮膚にも皮神経が分布していて、強く圧迫されると損傷が起こる事が分かっているとすれば…。
また、その皮神経が痛みやしびれや運動機能と関連していることを知っていたなら、
傷つけないようにやさしくアプローチするように思います。
徒手療法で体の痛みやしびれを改善させようと考えるならば少なくとも
「ゆっくり」で「やさしい」ことが必要なように思います。
あんのん徒手療法室では最新の疼痛科学に基づき開発された
DNM(デルモ・ニューロ・モジュレーティング)という徒手療法を中心に
痛みやしびれ改善のお手伝いをしています。
京都で痛みやしびれにお悩みの方がおられましたら、是非あんのん徒手療法室にご相談下さい。