脳や脊髄が刺激に敏感になる現象(※)中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)という現象が存在します。
痛い体験をすると、その状況を体験する度に中枢神経(脳や脊髄のこと)が興奮します。繰り返し体験すると、痛みを感じやすくなります。
※・・・中枢性感作(central sensitization):痛みに関与する中枢神経系ニューロンの興奮性の増大(引用:ジェニー・ストロング/痛み学/名古屋大学出版会)
分かりやすく例えますね。
以前からウォーキングしている時、歩く度に「左膝が痛む」とします。でも、痛くても無理をして歩くようにしていたら、その分
刺激を受けた中枢神経が興奮することになります。
痛い体験を繰り返すと、痛みの感受性が高まります。
つまり、より容易に痛むようになります。
そしてついには、普通なら痛みを感じないような刺激にでも反応して痛みを感じるようになります(アロディニアなんて言います)。
中枢性感作は、脳や脊髄などの「中枢神経」の興奮が増大している状況です。
ですので、容易に痛みを感じるようになってしまうのは「膝」だけではありません。
感受性は全身で高まることが知られています。
①初めは左の膝だけ痛かったのに、
↓
②最近は右の膝も痛い。
↓
③おまけに股関節まで痛くなってきた。なんだか痛いところだらけになってきた…。
のように、
中枢性感作は全身で痛覚の過敏が起こることが知られています。
しかも、一度起こると少しの痛みを伴う刺激でもその状況が維持されてしまう可能性があります。
ここで少し考えてみたいのですが。
当然、その時は痛みを減らそうと思って整体とか治療院に行くのですが、痛みがある時に、
強い刺激や、痛みを加えるマッサージ等を受けることがあるとしたら、
その刺激は「中枢性感作を促進させてしまう可能性がある」刺激かもしれません。
まとめますと、慢性痛を減らそうと考える時に行う「アプローチ」は
強い刺激や痛みを加えない事が「最低条件」です。
痛みを加えた時点で、中枢性感作を促す形になってしまうと考えられるからです。
おまけに小さな血管や皮膚に分布する皮神経、筋肉なども損傷するかもしれない。
急性痛の場合でも当然、強い刺激は加えない方が良いですが、脱臼時の整復や手術の注射など、
急性の痛みが起こる時にはそれよりも優先しなければいけなくなるケースがありますよね。
強い刺激もしくは、痛い刺激を加えるとその時は痛みがは減ります。
それは脳から強い鎮痛物質が分泌される別の現象が起こるからです。
その時はいい気分なのですが、長期的に見るとリスクがあるんじゃないかなと
考えます。
じゃあ、やさしい方法で痛みが減らないのかというと、そうではないんですよね。
結局、やさしい方法でも、強く刺激する方法でも、痛みが減ります。
同じように痛みが減るのなら、やさしい方法の方が
リスクが無いし、メリットが多いし、「痛みを減らす」目的に対してより
妥当な選択のように思います。
あんのん徒手療法室は最新の疼痛科学に基づき開発されたDNM(デルモ・ニューロ・モジュレーティング)
という神経系にフォーカスした徒手療法を中心に痛みや痺れ解消のお手伝いをしています。
Dermo=皮膚、Neuro=神経系、Modulating=変化「皮膚に分布する皮神経から神経系を変化させるきっかけを与える」という意味があります。
DNMはカナダの理学療法士Diane Jacobs氏が開発した徒手療法です。現在、日本を含む世界20カ国近くに広まっています。他の徒手療法では重視されてこなかった神経系に焦点を置いたアプローチがDNMの特徴です。
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